地域医療実習(医学生)

大学で学ぶことが難しいと思われる、①継続的な医師患者関係に基づいた個別の患者さんへの治療・療養の提案、②症状が未分化な健康問題への対応、③医療への入り口となる初回の受診、④訪問診療などに関して、医学教育の一部を担うことと当院スタッフの生涯教育の一環として、愛知県の4大学医学部からの地域医療実習を受け入れています。

当院・院長について

名古屋市昭和区いりなかにある無床診療所です。

院長である私の専門は家庭医療で、家庭医療学の視点から外来診療、訪問診療、ワクチンなどの予防医療などを行なっています。医学生の頃から、地域で働く地域住民の身近な医師になりたいと思っていました。それが何という専門家なのか当時は分からず、恩師の勧めで「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー」に参加してそれが家庭医と分かり、それ以来家庭医を目指して研修してきました。

私が初期研修を行った時期はまだ初期臨床研修必修化前で、もちろん後期研修の制度もなかったのですが、すでに全国で活躍していた家庭医の先輩方の活躍に刺激を受けながら、家庭医として必要な知識やスキルや態度をジグソーパズルのピースを集めるように研修をしていきました。(今では家庭医療専門医は国際認定された後期研修プログラムとなっています)

時期的に家庭医療専門医制度ができる時期と重なり、専門医制度にのった医療生協家庭医療後期研修プログラムの家庭医療指導医に先になったのですが、プログラムを修了するレジデントと一緒に専門医試験をうけ、はれて日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医になることができました。とてもうれしかったことを覚えています。

プログラムの指導医をしつつ、郊外の診療所の所長をしていましたが、都市部のプライマリ・ケアに興味をもったこともあり2014年に当院を開院し現在に至っています。

都市部のプライマリ・ケアで家庭医が果たす役割はとても大きいと感じており、自分自身は家庭医になって本当に良かったと思っていますが、一つの医療機関の一人の医師ができることなど非常に限られたものであることも実感しています。楽しみながら診療している姿を一緒に経験していただけると幸いです。そしてこれからの医療を支えるであろう医学生に、地域で地道に診療をしている姿を見ていただいて、患者さんたちにとって生活する場所に家庭医がいることの意味を感じていただけたらとおもいます。そして総合診療医そして家庭医療専門医に興味を持ってもらえるとさらに嬉しいです。

我々も医学部に入るまでは受ける側のイメージとして医療を捉えていたわけですが、大学などで医療の分野を身体と精神、あるいは解剖学的に、あるいは世代的に分類することに慣れてしまいました。プライマリ・ケアでは分類以前の未分化の問題に関わることがたびたびあります。これも経験いただけると幸いです。

実習中に疑問に思うことがあれば、積極的に質問してくださるとうれしいです。

学生実習の週間スケジュール

学生実習は、医師の働き方改革の適応範囲外のため実習内容によって

土※
8:30~朝礼・申し送り朝礼・申し送り朝礼・申し送り朝礼・申し送り朝礼・申し送り
9:00~午前外来午前外来訪問診療など午前外来午前外来午前外来
13:30~訪問診療訪問診療訪問診療
14:00~乳幼児ワクチン ↓ ↓ ↓
15:00~午後外来午後外来午後外来午後外来
18:15頃一日の振り返り一日の振り返り一日の振り返り一日の振り返り
※当院は土曜日の診療を行なっていますが、所属している大学が土曜日を休日としている場合は実習はお休みとして下さい。

実習に関して

  • 研修初日の集合時間は時間は午前8:25で、8:30からの申し送りを行い、その後オリエンテーションを行います。
  • 聴診器等の個人で必要な診療道具、筆記用具、自己学習教材を持参してください。
  • 服装について:実習中は大学指定のスクラブ等があれば、その着用でも構いません。(名市大)
  • 宿泊施設、研修生用に開放しているWi-fi環境はありません。
  • 昼食に関しては各自で用意して下さい。院内に飲食できるスペースはあります。
  • 疑問に思うことを積極的に質問してくださるとうれしいです。

実績

  • 名古屋大学医学部、名古屋市立大学、愛知医科大学、藤田医科大学の学生が当院で実習しています。